グラブジャムン
揚げたミルク団子を、薔薇とカルダモンが香るシロップに沈めた「ミタイの王様」。温めればとろけ、冷やせば締まる。世界一甘い菓子と呼ばれることもあるが、その正体は香りの菓子。
インドの甘い宝石を、日本語で。
ミタイ(mithai)は、インド亜大陸で数百年磨かれてきた菓子の総称。 銀箔をまとうミルクファッジ、薔薇香るシロップに沈む揚げ団子、サフラン色の渦巻き—— その姿は、しばしば「上生菓子のよう」と評されます。 mithai.tokyo は、日本語でミタイを体系的に知る・食べる・作るための専門メディアです。
まずは十種。地域・素材・甘さの度合いとともに、ミタイの入口をひらく基本の顔ぶれです。甘さは五段階(●が多いほど甘い)。
揚げたミルク団子を、薔薇とカルダモンが香るシロップに沈めた「ミタイの王様」。温めればとろけ、冷やせば締まる。世界一甘い菓子と呼ばれることもあるが、その正体は香りの菓子。
祝いの場に必ず現れる黄金の球。象の神ガネーシャの好物としても知られる。極小の粒を寄せて丸めた「モティチョール・ラドゥ」は、口の中でほどける真珠の粒。
ミルクを何時間も煮詰めてつくる、しっとりとしたミルクファッジ。食用銀箔(ヴァルク)をまとった姿は宝石そのもの。「上生菓子のよう」と評される、ミタイ美学の代表格。
オレンジ色の渦巻きを揚げ、シロップにくぐらせる屋台の花形。外はカリッ、噛むと中からジュワッ。インドでは熱いミルクに浸して朝食にする地域もある。
ふわふわのチーズ団子をシロップで煮た、白く軽やかなミタイ。スポンジのような弾力から甘い汁がじゅわり。濃厚勢が多いミタイの中で、意外なほど軽い入口。
すりおろした人参をミルクとギーでゆっくり炒り煮た、冬のあたたかいプディング。ナッツとカルダモンを散らして。家庭でつくられるミタイの筆頭格でもある。
カシューナッツのペーストを薄く伸ばし、菱形に切り出した贈答の定番。光の祭ディワリの主役で、銀箔をまとうことも多い。ナッツの香ばしさが立つ、上品な甘さ。
掌で押した円盤形のミルク菓子。クリシュナ神の聖地マトゥラーの名物として知られ、寺院への供物にも使われてきた。ミルクのコクとカルダモンの余韻。
飴を何千もの糸に引き伸ばして重ねた、千層の口どけ。綿飴を四角く圧縮したような見た目で、口に入れるとふわっと崩れて消える。箱菓子として国民的な存在。
マイソール宮殿の厨房で生まれたと伝わる、南インドの誇り。たっぷりのギーで炊き上げた生地は蜂の巣状の気泡を抱き、口に入れた瞬間ほろりと崩れる。南インド料理好きなら、次はこれ。
ペイサム、クルフィ、モーダク、シュリカンド——インド亜大陸の甘い宝石は、まだまだ尽きません。
作る前に、まず食べる。東京でミタイに出会える場所を、実在確認のうえで案内します(2026年7月調査時点)。
2019年開業、日本で唯一のミタイ専門店。店内厨房で手づくりされる多彩なミタイが並び、単品でも量り売りでも買える。日本人向けに甘さを本場よりも控えめに調整しているのが嬉しい。まずここへ行けば、図鑑の半分に実物で出会える。
東京メトロ東西線 西葛西駅 徒歩2分/ベジタリアン対応
インド料理店ムンバイの四谷店1階は、2018年からインドスイーツに力を入れる専門フロア。自家製ミタイを添えたインド式アフタヌーンティーが看板で、チャイとともにゆっくり味わえる。ミタイを「体験」として楽しむならここ。
JR・東京メトロ 四ツ谷駅近く/インド式アフタヌーンティー提供
インド食材店の老舗。シェフ手作りのミタイを店頭販売しており、スパイスや豆粉と一緒に買える。「食べる」と「作る」の中間に立つ場所として心強い。冷蔵便での通販にも対応。
都内複数店舗/ミタイの材料(ギー・ベサン・カルダモン)もここで揃う
ムンバイ系列の冷凍ミタイ通販「クールムンバイ」なら、東京以外からでも本格ミタイに手が届く。輸入食材の通販(ティラキタ等)では箱入りのソーンパプディやラドゥが定番。
全国配送/はじめてならグラブジャムンかカジュ・カトリを
ミタイを日本語で体系的に学べる場所は、まだこの国にありません。mithai.tokyo がその最初の一歩をつくります。
日本のスーパーで手に入る材料から始めて、少しずつ本場の材料へ。「食べて好きになったあの一皿」を自分の台所で再現するまでの道のりを、レシピと動画で丁寧に案内する連載を準備しています。